株式会社佐野溶接所

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【溶剤解説】塩素系 ③液管理

ホームページをご覧いただきありがとうございます。今回は溶剤解説シリーズの塩素系溶剤3回目になります。今回は、塩素系溶剤の液管理について、解説していきます。まだ、塩素系の1,2回目をご覧になっていない方は、ぜひご覧ください。



液管理とは、「溶剤が化学反応を起こさないように維持管理する」ということを指します。これは、塩素系に限らず、どの溶剤でも共通して言えることです。



通常、冷却機能を有する洗浄機は、必ず溶剤は水との接触が起こります。液は常に加熱しているので、塩素と水を加熱することにより化学反応が起きます。ですが、新液で洗浄機内に投入した場合、水と接触しても化学反応は起きません、なぜ起きないかというと、液には「安定剤」と言われる成分が入っているからです。この安定剤が上記の図のように「塩酸」になるのを防ぐ役割をしてくれます。しかし、安定剤にも弱点があります。


安定剤の効果は永遠に持続することはありません、どれくらい持続するのかは、水分の混入量や洗浄機を使用する頻度によって異なります。液管理には以下の対策があります。また、安定剤が多いか少ないかなどの確認のやり方などを解説していきます。

phチェックが一番重要になります。塩素系溶剤は基本は中性(ph7)なので、それ以下に下回り酸性に近づくほど、安定剤が減っていることが分かります。基本的にはph5になった時点で液交換を推奨いたします。phチェックのやり方などは、以下の問い合わせをクリックしていただき、問い合わせ内容に「ペーハーチェック」と記載して送信してください。


ご存じの方もいるかもしれませんが、セカードと呼ばれる水吸着剤というものがあります。これを入れることによって水だけを吸収してくれて本体に水分混入をより防いでくれるものになります。臭素系溶剤では必要ですが、基本的に塩素系溶剤は他の溶剤と比べて安定性が高いため、セカードは必要はありませんが、水の混入が心配という場合は備えておくのもよいと思います。


洗浄機内に蓄積した、汚泥なども液分解が起こる原因にもなります。詳しい内容は簡略いたしますが、洗浄する物質にもよりますが、半年から1年に1回行うようにしてください、当然、汚れが蓄積すると液分解だけでなく配管内に汚泥が詰まり液不足の原因にもなります。




液管理でもうひとつ大事なのが液交換のタイミングです。当然、液が汚れていたりしたまま使用すれば、油なども蒸気となり綺麗に洗浄できずに品質悪化につながります。上記でも記載した通りphの数値が低い時も、液交換をすることを推奨しております。液交換をするタイミングを以下の通りに解説いたします。


ざっくり説明すると、上記の図のように、溶剤の沸点の+5°になると内部はどのようになるかというと、油の割合が増えてしまい、このままいくと溶剤よりも割合が多くなり、蒸留する液量も減り液不足や品質悪化につながります。なので、蒸留再生装置には温度計が付属してあるかと思いますが、最高温度を溶剤沸点の+5°に設定し、その温度になったら蒸留再生装置の液を交換するようにしましょう。


※蒸留再生装置がなければべーパー槽の液を交換。


ジクロロメタン(メチクロ) 沸点40° 45°で交換

トリクロロエチレン(トリクレン)沸点87.2° 92°で交換

テトラクロロエチレン(パークロ) 沸点121.1° 126°で交換


上記でも記載した通り、月1回のph(ペーハー)チェックで数値がph5以下の時は、蒸留装置と洗浄機本体全ての液交換を推奨いたします。強酸に近づくほど、化学分解を起こし、塩酸になる可能性が高くなります。

塩素系溶剤を使用して洗浄トラブルで一番してはいけないことは、液分解です。とくに塩酸になってしまったとき品質トラブルだけでなく、アルミニウムなどを扱ってしまっている場合火災事故等になることもあります。なので、この塩素系溶剤の液管理だけはしっかりとしていただくようにしてください。


1、溶剤には化学反応を防ぐ安定剤が入っているが、効果に持続性はないため、月1回のph(ペーハー)チェックを行うこと。


2、ph5以下になったら液交換をする。


3、蒸留再生装置もしくは、べーパー槽の温度が溶剤の沸点の+5°になったら液交換をする(蒸留再生装置もしくは、べーパー槽のみ)


当社では、洗浄機のメンテナンスや液管理ついてのアドバイスなども行っております。洗浄機・溶剤などに関して、気になることがございましたら下記の問い合わせ欄をご利用ください。


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