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※画像はユーザー様からの特注品で制作した洗浄機になります。
当社の強みでもある、塩素系洗浄機です。有機則や特化則など様々な規制がありますが、粘度の高い油やバフ用研磨剤の洗浄するのに圧倒的な脱脂力と乾燥性を誇り、生産性向上につながります。乾燥のために乾燥炉等は必要なく、設備費用も比較的少なく済まされます。
1,対応可能な塩素系溶剤
①ジクロロメタン
(メチレンクロライド)
②トリクロロエチレン
(トリクレン)
③テトラクロロエチレン
(パークロロエチレン)
2、塩素系溶剤のメリット
①他の溶剤と比べて、洗浄力が圧倒的に強い。
臭素系・フッ素系・炭化水素系に比べると圧倒的な脱脂力があります。
②他の溶剤と比べて、揮発性が高く乾燥が早い
揮発性が高いため、べーパー洗浄によりワーク(洗浄対象物)に熱を加えて外に出すことにより早く気化するため、乾燥が早い。乾燥が早いため乾燥炉を設ける必要もないため、設備費用も低価格で済みます。
③価格が安い。
塩素系溶剤の価格1とすると、臭素系はメーカー等によって2~5倍かかり、さらにフッ素系溶剤は5~10倍ぐらいの価格になります。毒性が高いものほど、低価格ということも分かります。
④消防法非該当(引火点がない)
塩素系溶剤には引火点が存在しないので、消防法が非該当なため保管量や指定数量が決められていませんので、無制限に貯蔵が可能です。
⑤地球環境の影響が少ない
塩素系溶剤は揮発しやすい液体で、大気中に放出された場合、その寿命は比較的1週間から5ヶ月と推定されています。このために、大気中に蓄積する可能性は少なく、成層オゾン層に到達する前にほとんど全てが分解してしまい、オゾン層の破壊の恐れがありません
⑥蒸留再生が可能
不燃性の液体のため、蒸留再生が可能です。汚れた液を蒸留再生することにより、ランニングコスト削減につながります。
3、塩素系溶剤のデメリット
・毒性が高い
塩素系溶剤は「特定化学物質障害予防規則」に該当します。発がん性があるもの対してこの規制をかけています。
「毒性が高い」というデメリットを置くと塩素系溶剤は万能な溶剤であるといえます。
4,洗浄可能な洗浄物(汚れ)
①非水溶性の加工油
【加工油・熱処理油・切削油・防錆油・圧延油・引き抜き油・プレス油】
②バフ掛け用研磨剤(青棒等)
③塗装や接着剤の剥離
剥離の場合は「ジクロロメタン(メチレンクロライド)」をお勧めいたします。
5、洗浄不可能な洗浄物(汚れ)
①水溶性の加工油
【加工油・熱処理油・切削油・防錆油・圧延油・引き抜き油・プレス油】
水分が混入しているため、塩素系溶剤は水分と塩素が結合することにより【塩酸】になり、有毒なガスなどを発生させ、製品や付属の機械部品などを腐食させ、製品の品質悪化や機械のトラブルの原因になります。
水溶性の加工油を洗浄する場合、【水系】【純水系】【フッ素系】【アルコール系】などをお勧めします。
6、洗浄可能な被洗浄物(材質)
①金属全般
【鉄・ステンレス・チタン・アルミニウム・銅・銀・真鍮など】
アルミニウムの洗浄は可能ですが、アルミの切粉などが洗浄機内に、溜まり続けたまま使用すると、最悪の場合、酸化が発生してしまったとき火災が発生します。アルミニウムの塩素系での洗浄はアルミニウム洗浄専用のトリクロロエチレンを使用してください。
②ナイロン系
【繊維・MCナイロンなど】
7,洗浄不可能な被洗浄物(材質)
①樹脂類
【ゴム・プラスチックなど】
溶解を起こし品質に悪影響を与えます。
樹脂類を洗浄する場合は【純水系】【水系】【アルコール系】をお勧めいたします。
8,使用用途
①金属の脱脂洗浄
②バフ掛け用研磨剤の除去
③塗料・接着剤の剥離
④光学レンズ関連
【塩素系溶剤は使用禁止ではありません】
塩素系溶剤の製造、使用、廃棄等に関して種々の法規制がありますが、禁止されてはいません。また、今後も禁止されることは予定されてはいません。
※画像はユーザー様からの特注品で制作した洗浄機になります。
当社の強みのでもある、フッ素系の洗浄機でございます。当社では多くのフッ素系洗浄機の製作実績がございます。主に金属洗浄はもちろんのこと、電子部品のプリント基板のフラックス除去などに使用されています。現在は地球温暖化問題の懸念もあり「ハイドロフルオロオレフィン(HFO)」が主流となっております。洗浄力は塩素系や臭素系よりも下回りますが、高い人体への安全性と乾燥力をもつ特徴があります。
1,対応可能フッ素系溶剤
①ハイドロフルオロオレフィン(HFO)
②ハイドロフルオロカーボン(HFC)
③ハイドロフルオロエーテル(HFE)
2,フッ素系溶剤のメリット
①毒性が低い
フッ素系溶剤の一番の特徴でもあります。塩素系と臭素系に比べて、ハロゲン溶剤の中で毒性が一番低く、安全性の高い溶剤です。特化則にも該当しないため、比較的取り扱いも容易であります。
②消防法非該当(引火点がない)
フッ素系溶剤には引火点が存在せず不燃性なので、消防法が非該当なため保管量や指定数量が決められていませんので、無制限に貯蔵が可能です。
③蒸留再生が可能
不燃性の液体のため、蒸留再生が可能です。汚れた液を蒸留再生することにより、ランニングコスト削減につながります。
④乾燥が早い
べーパー洗浄により自熱を持たせ、外に出すことにより乾燥性が上昇し、生産効率アップにつながります。
3,フッ素系溶剤のデメリット
①他の溶剤と比べて、洗浄力が低い。
塩素系と臭素系で洗浄力を比較すると、洗浄力が低くかなりの差があります。フッ素系は粘度の高い油の洗浄には不向きなので
粘度の低い少量の油や水切りなどの乾燥工程などでの使用をお勧めいたします。
②価格が高価
塩素系と臭素系を比較するとかなりの差があります。塩素系溶剤の価格1とすると、臭素系はメーカー等によって2~5倍かかり、さらにフッ素系溶剤は5~10倍ぐらいの価格になります。毒性が低いものほど、高価格ということも分かります。
4,洗浄可能な洗浄物(汚れ)
①少量の加工油(非水溶性・水溶性)
【加工油・熱処理油・切削油・防錆油・圧延油・引き抜き油・プレス油】
5,洗浄しにくい洗浄物(汚れ)
①多量に付着している加工油(水溶性・非水溶性)
【加工油・熱処理油・切削油・防錆油・圧延油・引き抜き油・プレス油】
多量に付着し、粘度の高い加工油などは1度の洗浄だけでは、洗浄できず長時間つけ置き等が必要になるため、非常に作業効率や生産性低下を招いてしまいます。こちらに関しては【塩素系】お勧めいたします。
②バフ用研磨剤
バフ溶剤用研磨剤は超音波を使用しますが、フッ素系では洗浄力が落ちるため、【塩素系】を使用することをお勧めします。
③塗装・接着剤の剥離
フッ素系での剥離は長時間かかるため、【塩素系】をお勧めいたします。
6,洗浄可能な被洗浄物(材質)
①金属全般
【鉄・ステンレス・チタン・アルミニウム・銅・銀・真鍮など】
②プリント基板
【フラックスの除去】
③ナイロン系
【繊維・MCナイロンなど】
7,洗浄不可能な被洗浄物(材質)
①樹脂・ゴム
溶解を起こし品質に悪影響を与えます。
8,使用用途
①金属の脱脂洗浄
②プリント基板のフラックス除去
③水洗浄での乾燥工程
フッ素系溶剤は洗浄分野だけでなく水洗浄の乾燥などでも使用されます。基本は水洗浄の乾燥工程ではIPA(イソプロピルアルコール)を使用しますが、引火点が存在し消防法に該当するため、その代替えとしてフッ素系が乾燥工程で使用されます。塩素系などでも乾燥工程での使用は可能ですが、フッ素系が安定性が高く液分解を起こしにくい性質があります。
※画像はユーザー様からの特注品で制作した洗浄機になります。
水系・純水系・水洗浄剤の洗浄機は、主に有機溶剤が使用できない場所や樹脂や水溶性加工油などで活躍いたします。水のため毒性がなく洗浄業界の中で一番安全な洗浄方法です。
1、対応可能な洗浄液
① 水
主な用途
:樹脂洗浄
:洗浄工程のすすぎ
② 純水(脱イオン水)
水には様々な不純物が含まれており、それを取り除いたものを【純水(脱イオン水)】という純水は洗浄でも利用されますが、主に洗浄の仕上げすすぎ用途で使用されます。
主な用途
:樹脂洗浄
:精密機器の洗浄
:少量の油の脱脂洗浄
③ 超純水
「超純水」とは純水よりもさらに不純物を取り除いたものであり、洗浄分野では主に半導体のコンタミ(ゴミ)の除去に使用されます。
主な用途
:半導体のコンタミ(ゴミ)の除去
④ アルカリ洗浄剤(pH8以上)
アルカリ洗浄剤は脱脂力が高く広く利用されております。粘度の高い油の脱脂洗浄は、スプレーや超音波を設置する必要があります。
主な用途
:鉄・マグネシウムの洗浄
:非鉄酸化物のスマット除去
:除錆(錆び取り)
⑤ 中性洗浄剤(pH6~8)
中性洗浄剤は、主に最終仕上げ洗浄やガラス・レンズ・非鉄金属・樹脂などの洗浄で使用されます。アルカリ性と比較すると洗浄力が落ちるので超音波やスプレー洗浄などを必要とする場合もあります。
主な用途
:非鉄金属(マグネシウムを除く)の洗浄
:ガラス・レンズの洗浄
:樹脂の洗浄
⑥ 酸性洗浄剤(pH6以下)
酸性洗浄は主に錆び取り・酸化被膜の除去・溶接焼き付きスケール除去・表面の活性化に使用されます。
これの洗浄液は主に【電解洗浄】で使用され、特にめっき処理の前処理洗浄に利用されております。
主な用途
:溶接焼き付けのスケール除去【電解洗浄】
:除錆(錆び取り)
:酸化膜除去
:金属スマットの除去
:タイル・ガラス・セラミック等の除去
:半導体関連のエッチング
2,共通のメリット
①安全性が高い
全て水から希釈しているもので、毒性は少なく有機則にも非該当なため安全に取り扱えます。
②消防法非該当
消防法に非該当なため、貯蔵に制限がありません
③樹脂(ゴム・プラスチック)が洗浄可能
※酸性洗浄剤は除く
有機溶剤では樹脂の洗浄が不可能なため、水系洗浄剤での洗浄が可能です。
④水溶性加工油の洗浄が可能
有機溶剤系では(フッ素は除く)水溶性が使用できないため、水系洗浄剤等で洗浄することをお勧めいたします。
⑤有機溶剤と同等の脱脂力がある
アルカリ性では粘度の高い油など有機溶剤などと同じ脱脂力を誇ります。場合によっては超音波やスプレーなどを設ける必要があります。
3,共通のデメリット
①乾燥に時間がかかる
原点が水なため、乾燥に時間がかかり、場合によっては「乾燥炉」設けるか、「フッ素系」「IPA」などの溶剤でべーパー乾燥させる必要があります。
②ランニングコストが高価
水系洗浄剤は有機溶剤のように蒸留再生が不可能なため、濃度が薄くなるにつれ新液を投入する必要があります。同時に純水ではイオン交換樹脂による消耗品のコストがかかります。
③場合によっては錆を発生させる。
水を使用しているため、錆対策が必要となります。