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【溶剤解説】塩素系①塩素系溶剤とは?

本日のお知らせは、溶剤解説の塩素系について簡単に詳しく解説していきます。溶剤解説をシリーズ化していきますので、ぜひ見て行ってください。


・塩素系溶剤とは?

名前は単純です。「塩素」が入っているという風に覚えていただければOKです。


・非常によく出てくる3つの塩素系溶剤。

 ・ジクロロメタン 

 ・トリクロロエチレン

 ・テトラクロロエチレン


塩素系溶剤は他にも種類がありますが、この3つが非常によく出てきます。

全て「クロロ」と書いてありますが、英語で「塩素」を指します。


・頭の文字は塩素の数を表す。(豆知識)


・塩素が2個 クロロメタン

ジクロロメタン化学式


・塩素が3個 トリクロロエチレン

トリクロロエチレン化学式


・塩素系が4個 テトラクロロエチレン

         テトラクロロエチレン化学式


この「ジ」「トリ」「テトラ」というものが塩素の数を指しています。これらの呼び方は「ギリシャ語」です。


・塩素系溶剤は別名・略称が多い(注意!)

ここで一番注意してほしいのが、塩素系溶剤は別名や略称が非常に多いです。各塩素系溶剤の別名や略称は以下の通りです。


①ジクロロメタン(ジクロロ)

 ・メチレンクロライド(メチクロ)

 ⇧こちらの名称がかなり多く使われます⇧

 ・塩化メチレン(塩メチ)

 ・メタクレン(商品名)

 ・二塩化メチレン


②トリクロロエチレン(トリクロ)

 ・トリクロルエチレン

 ・トリクレン

 ・三塩化エチレン


③テトラクロロエチレン

 ・パークロロエチレン(パークロ)

 ⇧こちらの名称が多く使用されます。⇧

 ・四塩化エチレン

 ・パーク

 ・PCE


塩素系は別名や略称が多いのでここは押さえておきたいポイントです。


・塩素系溶剤の共通点

 
1,洗浄力が強く、乾燥が早い

こちらは、塩素系溶剤内での洗浄力です。この中では特に、ジクロロメタンが一番の洗浄力があります。ジクロロメタンは脱脂洗浄以外でも塗料や接着剤の剥離などで抜群の効果を発揮いたします。

こちらは乾燥性です。乾燥性でもジクロロメタンが圧倒的に早いです。基本的には乾燥性は沸点を基準にします。ジクロロメタンは沸点が約40度なので、塩素系溶剤の中で一番沸点が低く乾燥が早いです。その他の塩素系溶剤の沸点は以下の通りです。


・塩素系溶剤の沸点

ジクロロメタン 39.6℃

トリクロロエチレン 87.2℃

テトラクロロエチレン 121.1℃


これは、あくまで塩素系溶剤の比較です。塩素系溶剤は「アセトン」「トルエン」などの溶剤と比べると、圧倒的に脱脂洗浄や樹脂の溶解力などが、非常に強いです。


2,価格が安い


塩素系溶剤の価格1とすると、臭素系はメーカー等によって2~5倍かかり、さらにフッ素系溶剤は5~10倍ぐらいの価格になります。毒性が高いものほど、低価格ということも分かります。


3,消防法非該当(引火点がない)

塩素系溶剤には引火点が存在しないので、消防法が非該当なため保管量や指定数量が決められていませんので、無制限に貯蔵が可能です。


4,地球環境の影響が少ない

塩素系溶剤は揮発しやすい液体で、大気中に放出された場合、その寿命は比較的1週間から5ヶ月と推定されています。このために、大気中に蓄積する可能性は少なく、成層オゾン層に到達する前にほとんど全てが分解してしまい、オゾン層の破壊の恐れがありません。


5,蒸留再生が可能

不燃性の液体のため、蒸留再生が可能です。汚れた液を蒸留再生することにより、ランニングコスト削減につながります。


・デメリット


毒性が高い

どういう毒性があるかというと、この「特化則」は、発がん性があるものに対して、このような規制が法律によって定められています。この規制がかかってくるので毒性が高いということになります。

この5つのメリットを掲げると、塩素系溶剤は「毒性が高い」というデメリットを置いておけばどれも優秀なので万能な溶剤であると言えます。


・第1回目のまとめ


1, 塩素系は脱脂力や乾燥性が高く万能である。


2, 塩素系は毒性が高く「特化則」という規制に掛かっている。


3, 塩素系は他の溶剤と比べるとコストが安い。


↓ 第2回目もございます。ぜひご覧ください ↓


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