株式会社佐野溶接所

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【溶剤解説】塩素系②主な用途

ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。今回は、「溶剤解説シリーズ」の塩素系2回目になります。前回の続きになりますので、1回目をまだご覧になっていない方は以下のお知らせ欄をタップして、ご覧になってください。


↓ 【溶剤解説シリーズ】塩素系① ↓ 


・塩素系溶剤の用途業界



1,脱脂洗浄


金属部品加工などで使用する非水溶性油など粘度が高い油の脱脂洗浄でよく使用されています。その多くは「トリクロロエチレン」や「ジクロロメタン(メチクロ)」などが使用されております。場合によっては超音波やブラシやシャワーを使用することもあります。


・使用されている塩素系溶剤


① ジクロロメタン(メチクロ)
② トリクロロエチレン(トリクロ)
③ テトラクロロエチレン(パークロ)



2,樹脂・塗料・接着剤の剥離


剥離作業でも塩素系溶剤が使用されます。塗料がこびりついた治具やカマの剥離など、接着剤がこびりついてしまったのを落とす時などにも使用されます。剥離作業で使用されるのが主に「ジクロロメタン(メチクロ)」が使用されることが多いです。


・使用される塩素系溶剤


ジクロロメタン(メチクロ)


3,バフ研磨剤の洗浄


青棒などを使用して、バフ研磨をすると製品に青粉が付着します。その製品に付着した青粉を除去するのに塩素系溶剤が使用されます。青粉は比較的高温でなければ落ちにくいため、不燃性かつ80℃近くまで温度が上げられる「トリクロロエチレン(トリクロ)」や「テトラクロロエチレン(パークロ)」などが使用されます。現在は「トリクロロエチレン」が主流となっております。場合によっては超音波やシャワーやブラシなどを付けることがあります。


・使用される塩素系溶剤


① トリクロロエチレン(トリクロ) 沸点 87.2°

② テトラクロロエチレン(パークロ) 沸点 121.1°


4,ドライクリーニング


クリーニングなどで「しみ抜き剤」みたいな形で使用されます。脂(あぶら)じみができてしまった場合は、このような塩素系溶剤でしみ抜きをしたりします。他の溶剤に比べて汚れ落ちの効果が高く、クリーニングには欠かせない「もみ」「叩き」といった動きに強く、洗浄や乾燥時間が短いのが特徴です。最近では「炭化水素系」が多く使用されますが、一部は塩素系溶剤を使用するところもあります。主に「テトラクロロエチレン(パークロ)」が使用されます。


・使用される塩素系溶剤


テトラクロロエチレン(パークロ)


5、光学レンズのピッチ除去


光学レンズの研磨後の洗浄でピッチ除去と呼ばれる洗浄工程があります。その時に塩素系溶剤を使用することがあります。主に使用するのは「トリクロロエチレン(トリクロ)」です。


アルミニウムの洗浄で塩素系の使用についての注意点


アルミニウムは、酸とも塩基とも激しく反応して水素を発生させます。特に塩素系溶剤で洗浄する場合注意が必要です。本来であれば、新液の中には安定剤と呼ばれる物質が入っています。この安定剤は塩素系溶剤が化学反応を起こすのを防いでくれます。(塩酸になるのを防ぐ) しかし、洗浄作業などで、冷却機能が付属しているものは、必ず大気中の水分が洗浄機内に混入します。安定剤は水に弱いため、長期的に使用すると安定剤の成分がどんどん減っていき、やがて塩素単体になってしまい水が混合し、塩酸になってしまい品質悪化、機械のトラブル、最悪の場合火災事故などが発生します。そこで、塩素系でのアルミニウムの洗浄は使用禁止ではありませんが、いくつかの対策が必要になります。


・塩素系溶剤でアルミニウム洗浄をする場合の対策


1、アルミニウム洗浄専用の塩素系溶剤を使用する。


アルミニウム洗浄専用の塩素系溶剤が存在します。こちらは、トリクロロエチレン(トリクロ)になりますが、通常トリクロロエチレンは中性ですが、こちらのアルミニウム専用はアルカリ性のため、安定性が高く、持続します。商品名は以下の通りです。納入している溶剤販売メーカー様とご相談の上、使用してください。もしくは、当社の問い合わせフォームにお気軽に問い合わせください。


商品名:アサヒトリクロールAL

製造メーカー:AGC


2、毎月1回のph(ペーハー)チェック


洗浄機の水分離機等から、洗浄液を拾い毎月1回のph(ペーハー)チェックをすることを推奨いたします。基本的に塩素系溶剤は5ph以下になったら液交換をしてください。検液のやり方は当社の問い合わせをクリックし、必要事項記入の上、問い合わせ内容に「検液のやり方」と記入の上送信してください。


3、半年から年1回の洗浄槽の清掃。


アルミニウムを洗浄していくと、アルミの粉などが槽内に蓄積して、それがヒーターに付着し液分解を起こしてしまった場合、火災事故等になる可能性もあります。アルミニウムの洗浄をする場合槽内の清掃を半年もしくは、年1回欠かさずすることが重要になります。アルミニウムしか、洗浄しない場合は半年、アルミニウム以外のものも洗浄したりする場合は1年という形で問題ありません。洗浄槽の清掃は大変危険な作業となりますので、必ず3人以上で作業をするようにしてください。清掃のやり方など、気になることがございましたら問い合わせ欄にお気軽にお問い合わせください。


・第2回目のまとめ


1, 塩素系溶剤は、主に「脱脂」や「剥離」などに使用される。


2, 塩素系はアルミニウムを洗浄する場合しっかりとした対策をとる。



今回は塩素系の用途について、お知らせいたしました。他に気になることがございましたらお気軽に問い合わせください。


第3回は液管理についてになります。



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