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ホームページをご覧いただきありがとうございます。今回は管理濃度(作業環境濃度)と許容濃度について解説いたします。すでに理解している方もいると思いますが、改めて参考になればいいなと思っております。特に塩素系溶剤を使用している方などはぜひ理解してほしいと思います。
・管理濃度(作業環境濃度)とは何か?
塩素系溶剤を使用している方は、よく耳にするかと思いますがこの管理濃度(作業環境濃度)は厚生労働省によって定められた濃度になります。つまり法律で決まっている濃度になります。
管理濃度(作業環境濃度)は作業環境の状態を評価する指標(管理区分)になります。例えるとトリクロロエチレンを使用している作業場の濃度が20ppmだったとして、これが、高いか低いかは基準がないと分かりません。その基準を示す数値でもあります。トリクロロエチレンの管理濃度は10ppmなので20ppmは高いということになります。
今回は塩素系溶剤に限りますが、管理濃度(作業環境濃度)が定められている化学物質はたくさんあります。塩素系溶剤以外のものを確認する場合は以下のURLをご覧ください。
↓ 厚生労働省HP 作業環境測定対象物質の管理濃度 ↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000w7bi-att/2r9852000000w7nq.pdf
・各塩素系溶剤の管理濃度
1.ジクロロメタン(メチクロ) 管理濃度50ppm
2.トリクロロエチレン(トリクレン) 管理濃度10ppm
3.テトラクロロエチレン(パークロロエチレン)
管理濃度25ppm
・許容濃度とは何か?
まず、この許容濃度を決めた機関は公益社団法人 日本産業衛生学会が選定しております。つまり先程の厚生労働省が定めた、管理濃度(作業環境濃度)とは違って法規制には該当いたしません。
この許容濃度は何を表すのかというと、簡単に説明すると、1日8時間、週間40時間程度、肉体的に激しくない労働強度で、許容濃度以上の有害物質を吸い続けると体に何らかの影響を及ぼす濃度です。特に塩素系溶剤は「胆管がん」などを発症する危険性があります。
許容濃度以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度でもあります。
・各塩素系溶剤の許容濃度
1、ジクロロメタン(メチクロ) 50ppm
2、トリクロロエチレン(トリクロ・トリクレン) 25ppm
3、テトラクロロエチレン(パークロロエチレン) SDS記載なし
・具体的な対策
・洗浄エリアのみパーテーションを取り付け
洗浄エリアなどから、ガスが拡散し他の作業員に曝露(ガスを吸ったり)しないようにできるだけ拡散防止のための対策が必要になります。
・排気ダクトの取り付け
管理濃度や許容濃度を超えないようにするためには、排気が重要になります。今使用しているダクトなどの吸い込み量やダクトの数量など今、一度確認する必要があります。
まとめ
今回は管理濃度(作業環境濃度)と許容濃度について、簡単にご説明いたしました。中には防毒マスクをつけて作業している作業者さんもいらっしゃいますが、防毒マスクも当然装着しなければいけないのですが、管理濃度や許容濃度が超えているのに改善せずに防毒マスクだけ着用してれば「よし」という風に考えている方もいると思いますが、必ず管理濃度(作業環境濃度)の確認を今一度行ってください。他の作業者に曝露(ガスを吸う)したり、ガスが原因で機械や製品のトラブルを起こさないためにも確認をお願いいたします。